無題ドキュメント
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フランスベッド株式会社東京営業部でペルシャ絨毯、手織りの絨毯全般を企画、推進されている岩田達明氏に、インタビューを行わせて頂きました。
さまざまな角度からペルシャ絨毯・手織り絨毯の魅力について質問させていただきましたので、これから絨毯をお選びになられる方にとても参考になる内容になっております。 |
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鈴木:「ペルシャ絨毯がどのように作れられているのか、生産工程のお話をお伺いしてもよろしいでしょうか。まず、ひとつひとつ手で結んで織り上げていきますので、大変手間と時間のかかる作業になるかと思うのですが、一枚の絨毯を作り上げるまでにどの位の時間が掛かるのでしょうか。」
岩田氏:「一概には、大きさの違いや結びの細かさもありますが、例えば、ここに縦100センチ、横100センチの1平方メートルの絨毯があったとします。シルクの素材で結びの細かいものであれば、この1平方メートルの中で100万回結んでいるものもあります。これは1センチ角で100回結んでいることになります。また、同じ1平方メートルの中で25万回の結びの絨毯もあります。その2つは、同じ大きさですが、手間が全然違います。また、糸が細いと結びにくいのです。当然、色を多く使えば、時間が掛かります。ウールのちょっと荒いものでは、25万回位の結びのものもあります。糸が太いと結びやすくはなりますよね。ですが、それが4分の1の時間でできるかというと、もっと短い時間でできるんです。そうですね、どれ位の時間が掛かるかと申しますと、1日でベテラン中のベテランの織り子さんで5000回位、普通の織り子さんで3000回位です。そうすると、1平方メートルのものを3000回の計算をしますと、だいたい約1年は掛かります。実は、1平方メートルでお話し致しましたが、ペルシャ絨毯というのは正方形というのはあまり無いんですよ。玄関マットサイズ(ザロチャラクサイズ125センチ×80センチ)の大きさで大体1平方メートル位になります。」
鈴木:「ちょっと小さめかなと感じる玄関マットサイズで、一枚が出来上がるのに1年位も掛かるんですか!大変な手間と時間が掛かっているのですね。それでは、もっと大きなお部屋に敷くようなサイズの絨毯は大変ですよね。」
岩田氏:「そうですね。そうなりますと、大きなお部屋に敷くサイズのものは、一人ではできませんので、2人、3人位が並んで、同時に結んでいく方法になります。中には2年掛かったり、あるいは5年掛かったりというものもあります。その手間が値段にも反映されるわけですが、細かくなればなるほど緻密な柄になり、糸が良くなればなるほど、きれいな絨毯になります。例えば、イスファハンのものになりますと、ウールですが、縦糸がシルクで作られていまして、ウールのパイルを結んでいくことで、細い線で色柄をしっかり出すという産地によっての特色もありますね。」
鈴木:「柄が浮き出てみえるような印象が特に、中央のメダリオンの部分にあるのですが、そう見せるための特殊な技法が何かあるのでしょうか。」
岩田氏:「技法は特にございませんが、色の加減だと思います。もちろん柄もございますが、例えば、赤系の色が真ん中にあって、ブルーがそれを囲うようになっていますと、反対色になりますので、青が沈んで赤が浮き出て見えるようになりますよね。柄を力強く強調させますと、浮き出たり沈んだりして見えて、見方によっては立体的に見えるということがあります。色に関しては、ペルシャ絨毯に使われている色の組み合わせは、日本人が「この色とこの色はまず合わないだろう」と思うような配色の組み合わせを見事に合わせるようにしています。それは、非常に驚きますよ。ヨーロッパのインテリアの仕事をされる方は、ペルシャ絨毯の色柄を学ぶのです。色に関しては、とても日本人が考える組み合わせではないですね。また、ペルシャ絨毯は出来上がりが一番最悪の状態とよく言われまして、使えば使うほど色や柄に味が出てくるので、ベージュ色のものはあめ色となり、深い味わいが出てくるんです。その絨毯がオークションで出品されて、より高い値段で競い合われ買うわけです。日本にはそのようなことはあまり無いのですが、ヨーロッパは、それだけの歴史や文化が長いので、そのようなことがあるのですね。」
鈴木:「使い込めば使い込むほど味が出て、また愛着もわきますよね。」
岩田氏:「日本も戦後からそんなに経っていませんので、海外からいろいろな文明が流れてきたのも遅く、ペルシャ絨毯を使っている方というのはいないに等しいんですね。ペルシャ絨毯のみならず、中国の絨毯を含めた手織りの絨毯でも、日本では世帯別で1割に満たないです。外国、特にヨーロッパでは、6割以上が手織りの絨毯を使っているのです。それだけ、歴史や文化が違いますので、しょうがないといえば、しょうがないんですが。」
鈴木:「ヨーロッパに比べて、日本の普及率が1割も満たないのには、ビックリしました。」
岩田氏:「ですから、日本でも100年位使っていらっしゃる方もいるかと思いますが、ほとんどの方はまだ新しい状態なんですよ。本当の色の良さというのはまだお分かりになっていないと思います。私もイランの買い付けに行きますと、絨毯博物館という所がありまして、そこには、100年前や50年前の絨毯で実際に使い古したものが何百点も一枚、一枚展示がされているのですが、もちろん素材はほとんどがウールになります。それを拝見しますと、とてもいい色になっています。ですから、ウールに関しましては、使えば使う程ビロードの輝きになって、光沢が出てきます。羊の毛ですので、踏まれると、油分が出て、それが光沢に変わっていきます。それに魅せられてしまうのです。」
鈴木:「ヨーロッパでは使い込んだ絨毯がアンティークのような扱いになり、味の出た美しさが価値となるのですね。どうしても絨毯といいますと、機械織りのものをまず想像してしまい、消耗品というイメージがありますよね。」
岩田氏:「そうですね。確かに、機械織りの絨毯は10年ごとに買い換えたりしますよね。けれども、手織りの絨毯は、一生の内では使い切れないんですよ。新品の絨毯をお求め頂いて、その方が亡くなる時にでも、いい絨毯にはなっていないんです。その方の2代目、3代目と受け継いだ時にやっといい絨毯になってきたのを感じることができる状態になるのでしょうね。」 |
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